種から育ててきた固定種のミディアムトマトの『マティナ』。『尻腐れ』を発症してしまいました。その経過状況を投稿しておきたいと思います。
固定種トマトの『マティナ』
マティナはゴルフボール大の中玉トマトになります。(株)グリーンフィールドプロジェクトさんの固定種です。
- 原産地:モルドバ
- 内容量:0.12g
- 発芽率:80%以上
4月18日を0日目として、芽だしポットを使い種から大切に育ててきたトマトでした。
種まきから28日目の5月16日に小苗を菜園附属ミミコンプランターへ移植。64日目の6月21日目にして結実を確認。順調に成長していました。
成長する実の姿はまさに「おしり」。子供と「小しり~」と呼んで喜んでいたのです。
尻腐れ発症
ところが、結実してから2週目を過ぎた頃、第3花房まで出来てきたトマトを眺めていると。。。
トマトの実の端部が黒く変色!
慌てて調べたところ『尻腐れ』と呼ばれる病状と判明。
なんと言い得て妙なネーミング!
などと関心している場合でもないので、原因を調べました。
原因
『尻腐れ』は主に、実内部のカルシウム不足から起こる典型的な症状のようです。
なお、トマトの植物内部でのカルシウム(Ca)の移動は、主に『導管内の蒸散流』によって行われていると云われています。
『蒸散流』とは、根から吸収された水分を葉や実の表皮細胞にある『気孔』から吐き出すまでの上向きの流れのことを指します。
果実部分のカルシウム (Ca) も、この蒸散流によって運ばれると考えられています。
カルシウム不足になる原因は、以下のようなことが考えられており、大きくは2つ、①土壌環境、②植物体内の問題に分けられます。
原因1:土壌環境の問題
- 土壌中のカルシウム(Ca)そのものの不足
- 土壌中のカルシュウム(Ca)量が十分にあっても他の肥料成分(窒素など)が多いために根からの吸収を阻害
- 水分量の不足や過多
- 土壌中の酸素不足
原因2:植物体内の問題
- 必要な部位への移動・供給の阻害(根、湿度、日射、気温が阻害要因)
- 果実の成長速度が速くて供給が間に合わない(夏期に多い)
尻腐れの参考資料: ・仁科弘重・他(1993)『果実送風によるトマト尻腐れ発生防止とそのメカニズムの解明』植物工場学会誌(SHITA JOURNAL)5(1):26-38. ・佐藤卓・他(2004)『摘葉がトマトの尻腐れ果発生に及ぼす影響』園学研.(Hort.Res.(Japan))3(2):183-186.
対策と現状
対策例
対策としては、カルシウム不足を補うための『追肥』、 『摘葉』 によって葉を減らすことで、光合成量と蒸散量を低下させ、急激な果実の肥大によるカルシウム供給の遅れを補い、葉が減る分実への供給量を増やす方法。そして実への蒸散流を促すための『果実送風』などがあるようです。
実行した対策
実際に行った対策の一つ目は、『追肥』です。
総合的な土壌栄養の不足が原因と考えました。次のような状況があったからです。
- そもそも、ミミコンを活かすために減肥を行っていた。
- 日照時間が最も長い場所にプランターを設置しているにも関わらず、トマトと寄せ植えを行っていたニラやバジル、大葉のなどの葉物野菜の成長も後れていた。
- 同じプランター内で育てているミニトマト『あまっぷる』は、このとき尻腐れを発症していませんでした。トマトの苗植えを行った時、『あまっぷる』の苗が第1花房まででていた一方、『マティナ』は本葉が出たばかりの小苗でした。そのため、『あまっぷる』の方がいち早く根を張り巡らせ、栄養を専有、『マティナ』が栄養獲得競争で負けていた可能性がありました。
追肥に使った肥料は、スナップエンドの時と同様に、(株)タクトの『バイオゴールドオリジナル』です。20粒を全体に蒔きました。(尻腐れが発症するおよそ一月前にも20粒蒔いていたので、この時点で合計40粒追肥していることになりました)
2つ目は、『適葉・摘実』です。これは、葉の色が黄色くなっているところや、尻腐れした実を排除しました。この時点で残った綺麗な実は3つでした(涙)
3つ目は、前回の投稿で記事にしていた成長点を折るという『摘心』です。
現状
その後も残った実の尻腐れが出たりしましたが、現在は落ち着き綺麗なまま熟成する実が収穫出来るようになりました。
現時点では、6個は正常なまま収穫出来る見込みです。
少ない!
先日1個を家族で分けて美味しく頂きました(涙)
おわりに
意図しない『摘芯』で失った成長点をカバーするように脇目が出てきました。
今後は、トマトの尻腐れ状況を確認しながら、この脇目を成長させたいと考えています。
また、お隣のミニトマト『あまっぷる』にもついに『尻腐れ』が!
第9花房まで来ている内の第6,7,8花房の端部から、一房あたり1個から2個の『尻腐れ』トマトを発見。合計4個を『摘実』しました。
欲をかき、第4、第5房の間の脇目を成長させていたことが仇となった葉です(←やるな)
一先ずは、『摘芯』を行って様子を伺うことにしました。
状況を見つつ、全体的な成長の遅れを感じたら『追肥』も選択していく予定です。
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