2020年8月4日に行った改良型モナコ式水槽の自作手順についてご紹介します。
材料の用意
改良であるため、主な材料はこれまでのモナコ式を引き継ぎました。変更したのは底に敷く材料です。
改良前のベースとなったモナコ式水槽の自作内容については、前記事を参照ください。『モナコ式』から挑戦した海水の無換水水槽作り海水飼育において、水を取り替えずに長期育成を実現したと云われる『モナコ式』水槽の能力を知るために、2019年9月28日より、2020年8月3日まで約10ヶ月間を無換水にて育成しました。ここでは、モナコ式の概要と、Mauerが実際に行ったモナ...
引き継いだ材料
- 水槽:寸法30×30×50㎝のコトブキ工芸の『レグラスフラット F-3050』
- 水槽台:専用のコトブキ工芸『プロスタイル 300/350SQ』
- プレナム層:100円ショップで入手した『円形のザル』高さ2cmに加工
- 水流:『コラリア ナノ 900』2台、『ウェーブコントローラー』
- 照明:『ボルクスジャパン Wing2 30 Marine』
- 保温装置:『GEX NEW セーフカバー ヒートナビ 160W』→『ニッソー ニュープロテクトプラス 150W』
- 底砂:サンゴ砂
- 海水:飼育水を1/2受け継ぐ
新たな材料
新たな材料の詳細な狙いについては、前記事を参照ください。改良型モナコ式水槽~火山生成物と土壌の可能性~本記事より紹介していく無換水水槽は、前記事までに紹介してきた基本的にベーシックなモナコ式水槽に、独自の変更を加えた改良型のモナコ式水槽となります。改良は、2020年8月4日に行い、改良型として育成を再スタートさせ、今日現在も継続して育成を続...
- 黒土:園芸用としてホームセンターで入手
火山灰や腐植物質で構成された土です。火山灰がベースであることから鉄成分、腐植物質も豊富とのことから、植物性生物の成長促進、及びリンの吸着効果を期待して投入しました。弱酸性であるため、水槽の最下層に敷き詰めます。
- 石灰石&石灰砂:砕石された石灰石と石灰砂
サンゴ砂以外でのカルシウム等の供給を期待して投入。
- 海水:改良時に保持できなった15Lほどを、直江津の海から調達。
準備手順
生物の避難
底砂を入れ替えるため、まずは水槽内の生物を移動させました。魚類や甲殻類をはじめとした生体、サンゴや海藻が付着するライブロック、バクテリアにより熟成したサンゴ砂を別の容器へ海水ごと移しました。
水槽作り
まずは、プレナム層作りからです。
最下層は粒子の細かい黒土を敷き詰めるため、プレナム用のザルに更にネットを敷きました。
なお、ザルから2本飛び出した煙突のような形状の筒(トリカルネットを巻いたもの)を飛び出させました。これは、黒土が余りに目づまりしてプレナムが働かない可能性がないかと考えて取り付けたものです。イメージとしては、深海底の熱水噴孔です。余り根拠は無いため、検証の仕様は無い状況です(笑)。
この後、筒の中に砂利を入れることで、緩く水が行き来できるようにしました。
黒土は粒子が細かく弱酸性であるため、最下層に敷き詰めます。この時5.5cm(5L)の黒土を敷き詰めました。なお、煙突の周りには、黒土が入りにくいように石灰石でガードしました。
次に石灰石を1cm(0.9L)ほど敷き詰めた後に、穴を掘るテッポウエビなどにほじくり返されないように取り狩るネットを敷き詰め、その上から石灰石の砂4cm(3.6L)、最上部に中目のサンゴ砂5cm(4.5L)を敷き詰めました。
結果的に、黒土5.5cm、石灰砂5cm、サンゴ砂5cmの厚みとなり、約15.5cmとなりました。
最後にライブロックの設置と不足分の海水を追加した後に、生体を戻して完成としました。
スタート時の品種
スタート時の品種は次の通りです。
- 魚類:ニチリンダテハゼ1匹、ヤエヤマギンポ1匹、カクレクマノミ1匹、マンジュウイシモチ1匹
- 甲殻類:ニシキテッポウエビ1匹、キンチャクガニ1匹、ヤドカリ2匹
- 貝類:カノコ貝3匹、ムシロガイ1匹、タカラガイ5匹、マガキガイ1匹
- サンゴ類:スターポリプ1群、ウミキノコ1匹、マメスナ1群、ディスクコーラル(グリーン系)1匹、ディスクコーラル(ブルー系)1群
- 海藻:ホソジュズモ
- その他:タマイソギンチャク×1匹、未同定イソギンチャク類×2種、ヒラムシ類×2匹、ゴカイ類、ヒトデ類×2種
育成状況
この記事を作った2022年3月10日の時点で、1年7ヶ月間を無換水にて育成を継続出来ています。不慮の事故当により、死んでいった生体もいますが、水槽内の水質等、環境は安定しており、海藻やサンゴが蔓延る元気な水槽となっています。
実際の状況についての詳細は、追ってまとめていきます。
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