ガレージからはじめる陸上養殖装置作り

活動記録

陸上養殖装置プロタイプの設計開始!

陸上養殖装置のプロトタイプを作るにあたって、まずは積算から行いました。

詳細は省かせて頂きますが、ポントとしては次の通りです。

1.育成対象種:バナメイエビ
2.目標密度:1%(育成水槽水量に対するエビの最大総重量)
3.態窒素濃度の上限値:1ppm以下
4.育成水循環流量:50回転
5.配管径:ポンプ系統30φ以下
6.輸送しやすい形状

これに基づいて図面を作成していきました。

図面は、施工時のイメージも付きやすくするため3Dによる作図を行いました。

二段構造にして、上段は育成水槽、下段が浄化槽になります。

浄化に関しては、これまでの経験を活かし、育成水の管理がコストに直結することを踏まえて、できる限り省資源で効率的な運用が可能となるような仕組みを構築しています。特に、水替えの頻度を最小限に抑えながらも高密度な生産を実現することを念頭に置き、多角的なアプローチを取り入れています。設備の構成にとらわれず、実用性と持続性を重視した設計としてみました。

ホームセンターへGO!

基本的に必要となる主な材料はホームセンターやネットショッピングで調達しました。入手しやすい材料で製作すれば、変更や改修もしやすくなります。

ホームセンターでは主に水槽を設置するための架台の材料となる木材やビス、水槽代わりに使うプラケース、水槽間を繋げる塩ビ配管関係です。

ネットショッピングでは、ポンプや殺菌装置、ヒーターなどの機械類を調達しました。

ガレージ工作

組み立ては、個人宅ガレージに集合です。いわゆるDIY的な製作となりました。

3D図面でのイメージ通りに架台から組み立て行きました。

架台が完成した頃に帰宅した子供達に「水槽の中に入りたい」と言われて乗せることに。架台は水圧に耐えられるように作ったので子供二人なら余裕ですね。

配管も図面のイメージを元に組み立てましたが、基本的には現場合わせです。

緊張の水入れ

配管があらかた完了し、ポンプを取り付けた時点で最も緊張が走るのが水入れと試運転です。

水漏れ等を確認する必要があります。

….そしてありました水漏れです…

まずは配管で3カ所。主にのり付けが甘かった所ですね。こちらは直ぐに改善可能だったのですが、最も困難だったのは育成水槽中央部の配管箇所です。中央部の配管は40φで連通させているのですが、パッキンではまったく止水出来ませんでした!結果的にはゴム状になる接着剤を使うことになります。

こちらの苦労話は長くなりますので、又の機会に紹介したいですね。

試運転と改善、改善、改善・・・

水漏れ改善後は、育成実験の段取りが付くまで、試運転しつつ様々な材料の設置方法等、問題点を見つけては改善を続けていきいました。

運転しながらでないと分からない事は多々あります。こういった経験を重ねつつ経験値を増やし、今後の設計時の完成度の高さやシステムとしての説得力が増していくのだろうとしみじみ思いました。

実験場所へ向けて出発!!

育成実験の段取りが付いて出荷を迎えました。車に乗るサイズを想定していたので、乗せやすい様にコンパクトにまとめて出発しました。

実験場へ装置到着後の設置は数時間で完了しました。

まあ、ここでも改善点はあったわけですが、、、

今回の実験装置。検証実験が上手くいけば、今後の循環式陸上養殖の設計を行う上でのベースとなるデータを取得することになります。

一方で、今回製作した陸上養殖装置のプロトタイプは、陸上養殖への新規参入を考えている方のためののデモ機としてや、陸上養殖で試してみたい資材や対象品種の試験装置としても利用していけたらと考えています。

今この時も育成しながら様々な改善点が出てきておりますが、それらの課題をクリアさせながら良いシステムにしていきたいですね!

幼い頃ころから海や魚が好きで、陸上養殖開発に携わるも家族との生活を優先するために退社。その後、「究極の循環とは何か?」を求めて人工生物圏構想を妄想して趣味的に研究開始。「人工生物圏研究所」として、夢の実現に向けて活動中

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