棚作りは、狭いベランダ空間を菜園として最大限利用するために必須でした。
振り返れば、あまり良い写真を撮っていなかったのですが、試行錯誤しながら自作していった1号から4号までの木製棚を紹介します。
ベランダの条件
まず、MauerがMBS型ベランダ菜園を展開してるベランダの環境条件を紹介します。
- 場所:豪雪地帯である新潟県上越地域のアパート1階付属ベランダ
- 寸法:長手2.7ⅿ×幅0.85ⅿ×床から屋根までの高さ2.1~2.5m
- 日照:南東の半日陰(日照時間7:00~15:30の9時間前後)
- 採光:採光できる屋根があるが、保護フィルムが張られているため光量は落ちます。さらに目隠しパネルで日陰になる底部(目隠しパネルの高さ1.1ⅿ)はほとんど採光が困難。
- その他:床が年季の入ったアルミデッキ
床面積が2.3m2しかないことと目隠しパネルによって腰あたりまで遮光されている条件から、棚作りは必須となりました。
材料の選定
主にホームセンターにて材料調達しました。
工具
・電動ドリル
木工でビス打ちなどを行い、作業効率を上げるためには必須の工具です。
使用したのは、リョービ(株)の有線タイプのドライバドリルです。
ただし、こちらは、今回の耕作では少々力不足でした。1ランク上のパワーが必要です。
- 最大トルク:120kg/cm
- ネジ締め能力:木ネジφ5.1×38mm
・コンベックス(巻き尺)
寸法取りには欠かせないアイテムです。
・指矩(さしがね)
直角に綺麗な線を引くのに大変便利なアイテムです。大きな工作物ではないので、小さなタイプを使いました。
棚の材料
・木材
木材は、匂いが好みの杉材にしました。結果的に安価な3種類の規格品を選びました。
①杉間柱 特一等:27×90×3000mm(税込428円/本)
間柱とは、壁の裏側の下地材として使用されます。特一等とは、見た目の美しさのレベルで並みの上といった感じです。小さな棚を作るレベルでは、安価で問題のない強度が確保できます。
②杉ADプレーナー:25×25×2000mm(税込198円/本)
AD材は自然乾燥させた木材であるため、反り返りなどが発生する場合があります。元々20cmほどにしか加工しないため、問題無いと判断した材料です。
③杉材KD野緑:36×36×4000mm(税込458円/本)
KD材は、強制乾燥させた水分量の少ない材料となるため、木の反りなど、狂いが生じにくい材料です。しかし、AD材と違い木材の脂身まで失ってしまうため、内部ひび割れや耐久性が劣ることになります。それでも、30~40年ほどは持つと云われている材料ですし、試験的に行うベランダ菜園のための小規模な棚作りでは、これ十分と選びました。
まあ、ベストな構造が決まれば、耐久性も香りも良いAD材で作って行きたい所ですね。
・ビス
ビス選びは、取付物の厚み+20mmを選ぶと云われますので、次の写真の3種類の選びました。
使用したビスの量でどれが良かったのかは、明らかなのですが、若井産業(株)のビスは、看板に偽りなしのいいビスでした。安価なKD材などを使用しているのもありますが、ドリルで下穴を空けずに直接打ち込んでも割れは発生しませんでした。
防腐剤
・柿渋
木材の防腐や防虫処理の材料として天然素材のタンニンを多く含む柿渋を選びました。食品を作る菜園にもなるため、化学塗料は使用したくない思いもありました。
今回は、2倍に薄めて刷毛塗りしました。効果を高めるために3度塗りを行いました。ただ、効果を持続させるためには2年後に塗り替える必要があるのがデメリットです。
自作した棚
1号棚(棚寸法:幅80.4cm×高さ75cm×奥行25cm)
最初に作る棚ということもあり、練習も含めて簡単に作れる2段構造タイプにしました。
木材は、柱及び棚用の材料として①杉間柱、繋ぎ材料(棚受け)として②杉AD材を使用しました。
材料費(木材+ビスの税込み費用)のみで約1350円です。
カットは、ホームセンターのカットサービスを利用しました。間柱は75cm、杉AD材は25cmにカットしてもらい、線だしは自宅で行いました。
間柱に線出した箇所に、繋ぎ材(棚受け)としてのAD材をビスで固定しました。写真は棚の柱となる部分です。
次に、作成した柱部分を立てて、棚として使う間柱材を棚受けにビスで固定していきます。
これで完成です。個人的にはデザイン的にシンプルで好きなタイプです。
こんな感じで使用しています。
基本的には、1号棚の作り方と同様の工程で、形が異なる2号、3号、4号の棚を自作していきました。
2号棚 (棚寸法:幅112cm×高さ150cm×奥行35cm)
次は、作った中で最も大きなタイプとなった3段棚です。寸法は使用予定の菜園附属ミミズコンポストを2つ並べられるサイズ感で決定しました。
材料は、 柱及び上段と中段の棚用、繋ぎ(棚受け)の材料として③杉材KDと、下段の水槽を支えるところに①杉間柱を使用しました。
材料費(木材+ビスの税込み費用)のみで約3300円です。
カットは、ホームセンターで車に積めるサイズになるよう大まかにカットしてもらい、自宅のノコギリで必要な寸法にカットしました。
まず、棚の柱用に150㎝にカットした部材へ、繋ぎ(棚受け)用の材料35㎝をビスで固定していきます。これで、棚の位置が決定することになります。
棚受けは、プランターや水槽の荷重がのし掛かる部分なので、強度を持たせるために2本づつ打ち込みました。
こんな感じで完成です。
中段は、下段への採光と通気性を兼ねて格子型にしました。下段は、水槽に改造したプランターを並べるため、接地面積を取り、支えられるように平たい間柱用部材を使いました。
上段は、必要に応じて取り外せるように、中段のように全ての部材をビス止めしていません。
例えば、上段に1本の棒を追加すれば、プランターを並べることができます。
3号棚 (棚寸法:幅83.2cm×高さ150cm×奥行45cm)
3号以降、③杉KD材だけでも良いと考えるようになり、杉KD材1種で棚作りをすることにしました。
材料費(木材+ビスの税込み費用)のみで約3500円です。
3号は奥行きを広くとった棚です。大きなプランターを置ける様にしました。
設置時の様子です。
4号棚 (棚寸法:幅110cm×高さ150cm×奥行35cm)
4号も3号同様に③杉KD材のみを使用しています。3号に比べてスリムタイプとなり、奥行きがありません。
材料費(木材+ビスの税込み費用)のみで約2400円です。
他の棚同様に柱の部材から組み立てました。
なお、4号では、強度にかかわる部材以外はビス止めする必要がないのではと考え、必要最小限で、写真の材料のみビス止めしました。
なお、結果的には、中段に設置したプランターより、ナスやピーマンの枝を伸ばす為、上段の真ん中に固定していたKD材は取り外しました。
おわりに
手前味噌ですが、1号棚から場当たり的に、4号棚まで現場合わせで作ってきましたが、中々、使い勝手の良い棚となっています。
なお、防腐剤としてしようした柿渋についてですが、酷い梅雨の時期も抜け、制作してから6ヶ月が経過しましたが、現状カビなどもなく安定しています。
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