ミミズコンポスト『零号基』の自作と処理能力について

ミミズコンポスト零号基の様子 ミミズコンポスト

ミミズコンポスト『零号基』

ベランダ菜園によるMBS構築以前、試験的に自作して導入していたミミズコンポスト、通称『零号基』が存在します。

人工生物圏的世界観を形にしていきたいと思い始めていた頃のことでした。どうやって具体化していくべきか、その方向性が見えていない時ではありましたが、職場の兼業農家K氏にミミズの話を聞く中で、ミミズに関心を持ち始めていました。

あれこれ考える前に、まずは論より証拠と、菜園用コンテナをミミズコンポストとして使用できるように準備し、2020年9月27日より、実際にミミズを育ててみることにしました。

近年まれに見る記録的な豪雪に埋もれるなど、厳しい冬を乗り越え、夏を迎えた零号基。あと1ヶ月ほどで1年を迎えようとしています。

零号基のミミズたちは、夏を迎えて本領発揮なのか、中々の食欲を見せ、目を見張る処理能力を発揮してくれています。

ここでは、初代ミミズコンポスト『零号基』の構造から、処理能力まで紹介します。

※なお、場所はアパートに面する屋外の一角です。大家さんに許可を得て設置しています。

自作とその構造

ミミズコンポストの舞台として用意したのは、その後構築したベランダ菜園でも活躍しているアップルウェアー製の『菜園コンテナ520型グリーン』です。

『菜園コンテナ520型グリーン』のスペック
・寸法:52×26×34.5㎝
・土容積:20L
・素材:ポリプロピレン

《ミミズコンポスト零号基の自作風景》

※なお、当時の様子を写真として残していなかったため、同じ材料を使った代用写真を掲載しています。また、使用した材料は、知識ほぼ0から当時の思いつきで選び、自作しました。実績に基づいた根拠ある方法ではありませんでしたが、結果的に、ミミズはよく食べよく増えてくれているので「良し」としています(笑)。

まず、プランター附属の黒いメッシュの底板は、最深部に余計な中空空間を作ってミミズを孤立させたくないので取り外しました。

また、底にある水抜き用の穴は1つを残し、片方は附属の栓で穴埋めしました。後々、ミミズが増えてから液肥(ミミズのおしっこ)をこの穴から回収出来ないかと考えています。

まず、1段目の最下層には、堆肥流失防止と土壌pH酸化防止を兼ねて、兼業農家のK氏に頂いた石灰石を約1.5cmの厚さで敷き詰めました。

2段目には、兼業農家H氏に頂いた裁断済の藁を、石灰石が覆い隠させる程度に約1.5㎝敷き詰めました。土壌流失防止と通気性確保を狙ったものです。

3段目には兼業農家M氏に頂いた黒土(上越地域の呼び名では黒ベト)を5㎝程度敷き詰めました。

完成した零号基を、1日中殆ど日が当たらないアパート屋外の一角に設置させて頂きました。

ミミズコンポストの蓋は、買い換えて不要になった木製まな板2枚です。

ミミズの入手

ここに、兼業農家K氏の堆肥ばより、シマミミズ約200尾を頂き、『零号基』へ引っ越ししてもらいました。

ミミズはただちに土の中へもぐっていき、さっそく餌としての生ごみを与えました。

当初は、ミミズの餌を食べる量など、ろくに調べずに与えていました。餌も土壌と混ぜることなくそのまま投入していましたが、案の定分解は遅く、ミミズ以外の生物(主にダンゴムシやワラジムシ、コバエ類)も加わるようになりました。

餌と運用方法

別記事でも説明していますが、Mauerが与えている食べ物は次の通りです。比較的ミミズが食べやすく、分解に時間が掛からないものを選ぶようにしています。ミミズが嫌うと云われるものや、異臭や害虫を呼びやすいもの、分解に時間が掛かるものや調理済みの食品は避けるようにしています。

ミミズコンポストへのミミズ受け入れとお食事事情 | 人工生物圏研究所|Artificial Biosphere Laboratory

与えている食べ物

  • 葉物野菜の劣化部
  • 実野菜、根菜、果物(柑橘類は除く)の皮や劣化部
  • 茶葉やコーヒーかす
  • たまごの殻

避けている食べ物

  • ミミズが嫌がり分解も遅い : ネギ、柑橘類、液体系(油、牛乳、味噌汁等)
  • 害虫や異臭を避ける : 魚、肉類などの動物性の食べ物
  • 塩分や食品添加物質等を避ける : 調理済みの加工食品

植物性の野菜クズメインでミミズに与えていますが、零号基には、切らずにそのまま与えがちになっています。

ミミズ以外の仲間達

ミミズ以外で目立つのは、主にダンゴムシやワラジムシです。蓋を開けて光が当たると慌てて隠れます。あとはトビムシ類(小さいだけに個体数で言えば数千匹はいそうですね)です。これらがミミズ以外の主な住人になっています。

もちろん優占種はミミズです。土をスコップで少し掘ると、餌に群がるミミズ達とこんにちはします。

蓋をはぐれば、光を嫌うダンゴムシなどは、すぐに隠れてしまいます。写真でとっても一見分からないレベルです。

その他の見かける生物種としては、ナメクジ、アリ、コバエ類です。コバエ類など羽を持つ虫は、餌である生ごみを土で覆ってしまえば、殆ど現れなくなりました。アリは、甘い果物類の餌が多い時に見かけます。

なお、日本などでは、その名を直接口にするのも憚られ(?)、「G」などとも呼称されているいわゆるゴキブリ(←言っちゃた)問題ですが、今のところ出会っていません。いくら同じ星に生きる仲間だと思っても、ゴキブリは苦手です。できることならお目に掛かりたくないものです。

1日の処理能力

『零号基』は適当管理であったため、今まで数値データを取ってませんでした。

ここ最近、投入量のデータを取り始めました。

結果、現状としては、平均して1日に200g以上を投入していますが、コンスタントに処理してくれています。

因みに、我が家ではミミズに与えられる生ゴミの量が1日約250g程度です。

ミミズ1匹を0.4gとして、1日に体重の半分量0.2gの餌を食べるとのことから、生ごみ200g/ミミズ1匹の摂餌量0.2g=約1000匹以上に増えてくれていそうです。

最も驚いたのは、食べられないパイナップルの皮をそのまま零号基に投入していた時のことです。

ある日、零号基の蓋を開けたとき、直径約10㎝の丸いパイナップルのお尻の皮がボコボコ揺れていました。ついにゴキブリなどの大きな生き物が来たのではないかと恐怖し、恐る恐る剥ぐったのですが、甘い部分が残るパイナップルの実の部分に数100匹のミミズが群がり、ムシャムシャと食べていました。

おわりに

ミミズたちの生ごみ分解力に驚く日々ですが、週3回、生ごみ指定袋小(5L)をパンパンにして捨てていたのですが、これが、ほとんど生ごみを入れずに週2回に減りました。

堆肥も順調に生産されており、ミミズも増えています。

今後は、ベランダ菜園用の有機肥料として利用したり、増えたミミズも、援軍としてベランダの菜園附属ミミズコンポストへ引っ越しさせて頂きたいと考えています。

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